卵巣癌

とうとう11月になりました。北海道に引っ越してきて早いもので3ヶ月が経ちました。最近は息子の成長が目覚ましいです。ハイハイは出来ませんが仰向けで尺取り虫のように進みます。目を離すと危ないのでベビー用の柵をそろそろ買わないといけません。

 

昨日は腫瘍の本に没頭してしまい、ブログを書き忘れたため11/2の朝に書いています。本日が休日という事を昨日夜に知りとても幸せな気持ちになってしまい、ついつい夜更かしをしてしまいました。

 

昨日読んだ本の内容ですが、卵巣癌の治療、HIPECと呼ばれるもので腹腔内温熱化学療法と言います。卵巣癌はサイレントキャンサーと言われ、発見された時約半数はⅢ期、Ⅳ期と進行してしまっています。卵巣癌の初回治療としては手術でできる限り腫瘍を取り除いた後、TC療法(T;パクリタキセル;タキサン製剤、微小管を阻害し細胞分裂を阻害する、C;カルボプラチン;プラチナ製剤、DNA複製阻害)という化学療法が行われます。しかしⅢ期、Ⅳ期ではこの治療法ですとなんと70%が5年以内に再発すると言われています。そこで様々な治療法が試され、その有効性が検討されている訳です。HIPECは手術時に腹腔内に直接パクリタキセルやカルボプラチン(シスプラチン)を投入し治療するという方法です。一般的に薬剤投与の課題のひとつとして投与した薬剤がターゲットにどれほど到達できるかとういう問題がありますが(pharmacokinetics)、HIPECでは通常の経静脈的投与より強い薬理作用が期待できるというわけです。この方法を初回治療時に行なったり、再発症例に行なったりして世界中で有効性を検討していますが、効果ありとするものやなしとするものが様々でその解釈には深い理解が必要です。またHIPECの方法としては開腹して41-43度の温水を腹腔内に灌流させるため、問題点として、手術時間の延長がある事と、温水によって体内臓器の低温火傷が起こり血管透過性が亢進して末梢循環不全となるためICUの入室が必須となる事です。このような問題点も孕んでおり、明確な有効性も示されていないとなると大学に戻って行うのは不可能だろうと思いながら読んでおりました。

 

昨日はH病院でお産を見に行ったのですが、あいにく0件という事で妊婦検診を手伝いに行きました。最近胎児エコーをする機会が減っていたため、良い経験となりました。検診のスケジュールについてはZ病院とほとんど同じで、一度身につければ様々なところで使えるなという印象を持っています。また、H病院では胎児スクリーニングエコーを検査技師が別室で行っていますのでそちらの見学も初めてさせてもらいました。ファントムと言って擬似の模型でエコーの練習もでき、また技師の方から心臓エコーも教えていただいてとても良い経験となりました。エコーはE6を使用されていましたが、動画が画像をUSBで取り出せたのでそちらを持ち帰り家で勉強する事としました。H病院での楽しみがまたひとつ増え、研修が益々楽しくなっています。

 

今日は休日なので家族でビーガン料理を食べに行こうと思っています。夜にまた投稿できればと思います。