一般当直

日曜日から企業の保健室の先生のような事をしていました。

医療機器は最低限の物しかなく、採血・レントゲンもできません。

そんな中で緊急性を判断し、直ちに治療が必要な場合は近隣の救急病院を紹介する。

そうでない場合はベットに寝かせておいて翌日帰すか近隣病院の外来を受診させる、といった感じです。

診た患者は10数人です。

そのほとんどが夜間の受診であり、日中に来てくれればいいのに、と思っておりました。

普段病院なら何も考えずに採血、レントゲン、CT撮るようなところも本当にその検査が必要なのか考えながら診療にあたるため勉強になります。

 

北海道ならでは?の低体温症の患者さんもみる事ができました。

 

今回の患者群では頭痛がとても多く、頭痛の鑑別の勉強にもなりました。

頭痛には大きく分けて1次性頭痛と2次性頭痛があります。ほっといたら死んでしまうのかどうかという視点が救急では大切ですが、ほっといたらヤバイのが2次性頭痛です。

2次性頭痛とはくも膜下出血脳出血髄膜炎など原因のある頭痛のことを指します。1次性頭痛とは緊張型頭痛や片頭痛群発頭痛など言ってしまえば原因不明の頭痛の事です。

 

下の図は救急外来を受診した患者さんの疾患別割合です。

 

京都ERポケットブック から抜粋

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今回受診された方もほとんどが緊張型頭痛でした。

くも膜下出血など直ちに治療が必要な疾患かどうかを見分けるには頭部CT検査が有用ですが、医務室にはそんな物はありません。

なのでまず頭部CTが必要かどうかを判断しなくてはなりません。

下の項目全てが「いいえ」であればくも膜下出血でない可能性は100%とされています。

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さらに頭痛の発症状況や性状、患者さんの年齢、雰囲気からもある程度疾患を想定する事ができます。

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このようにして緊張型頭痛じゃない?となれば鎮痛薬を持たせて帰宅させますし、脳出血など怪しければ夜間救急病院へ搬送します。

私がもし一般病院にいるなら少しでも迷ったらCT撮っちゃいますけど。

 

その他コロナの関係なのか、胃腸炎が多い印象です。なぜだと思いますか?

 私の考えでは答えは仮病が多いから、かな?笑